内風呂探訪

先日訪れたフィンユール邸、その日に泊った宿の内風呂がなかなか良かったのです。

お湯のことはよくわからないので、あくまで建築的にですが、、、。

宿は高山の飛騨古川にある「季古里」。

内風呂の大きさはそんなにないのですが、設計者の意図が伝わってくるつくり込み方がいい。

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まずは露天風呂。塀と屋根で緑をオーソドックスに切り取っている。

色気はないものの、新緑や紅葉の時など変化を楽しめそうなところがいい。

葉に日が当たり、清々しい朝風呂がオススメ。

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続いて屋内風呂。樹種はわからないのですが、木の枠で囲まれ、床はタイル張りの浴槽。

露天風呂もそうなのですが、お湯の出し方と排水の道がきっちりとデザインされているあたりに

設計者の性格が見て取れて面白い。

特に木の枠をキレイに保つ為には排水経路のデザインは不可欠。

浴槽の中に迫り出したお湯の出し口、、、、水紋をキレイに出したかったのだろうなぁ。

そんなこと、ほとんどの人が気がづかないのになぁ、でもわかるわ〜。

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石やタイルで仕上げるのが定石である洗い場。まさか、まさかの木での仕上げ。

お寿司屋さんのカウンターのような一枚板の前で体を洗うという初めての体験だったのですが、

非日常な感じを味わえたことと、

一枚板があることで出来たゆとり(普通はここに何もない)に贅沢感を感じられる。

これを許してくれた宿のオーナーに拍手!

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脱衣室も手を抜かない。それを感じたのがこれ↓

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ドライヤーを掛けておく為の家具。雑多な感じが出てしまうコードとコンセントを見せない工夫。

やり過ぎ感はあるものの、狭い空間だからこそ細部に気を配る。

その一手間が、その場所の質を上げる方法のひとつだと再確認。

いやぁ〜〜〜、設計者目線ですが、いい内風呂でした!




みのわ建築設計工房  箕輪裕一郎
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by yuichiro-minowa | 2018-10-16 10:55 | 日々 | Comments(0)
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